2002年度 / Year 2002
2002/04/01
研究室2度目の引越し作業
 

 4月1日,計画系研究室による部屋の入れ替えが行われ,本研究室は旧景観研究室に場所を移しました.最大の人数を誇る当研究室が最小の床面積の部屋に移るということで一時はどうなるかと心配されましたが,レイアウト担当の学生の上手な配置計画によって,狭さを感じない部屋にすることに成功しています.また,今までと同様に入り口すぐにミーティングスペースを配置し,スポットライトの照明を取り付けました.更に,入り口は前回と同様ガラス戸に変更しましたが,枠を黄色にし,さらに扉上部へ間接照明を取り付けることでとても明るい雰囲気を演出しています.近いうちに皆様にも是非とも来ていただけるよう,研究室メンバー一同お待ちしています.

2002/04/01
家田教授が専攻長に就任
 

 4月1日より家田教授が社会基盤工学専攻・専攻長(兼・土木工学科・学科長)に就任しました.専攻長は工学系研究科内に25ある専攻からそれぞれ選出され,研究科と各専攻を繋ぐための「諸雑用をやらされる」激務です.まず,教官室には専攻長用応接セット(重厚なテーブル付き)が運び込まれ,入り口ドアは半透明のスライドドアに変更されました.特に後者は家田教授のポリシーの一つである“Keep Open”と,専攻長業務の特殊性を共に満たすため,久木田建築設計事務所が特別にデザインしたものです.また,下記のような行動指針を室内に掲げました.任期は二年間で折り返し地点に来たところですが,独立行政法人化や文部科学省COEプロジェクトへの対応をにらみつつ,長く多い会議にもめげず,学内業務に取り組んでいます.

専攻長・学科長としての行動指針
一,専攻長・学科長としての責任業務を最優先する.
一,専攻・学科の利益と社会の利益とが合致する答えを常に目指す.
一,専攻・学科の矜持を保ちつつ,その公式代表者として常に自省的に発言し行動する.
一,専攻・学科の全構成員との意志疎通に努める.
一,合議を原則としつつも,必要な場合には責任をもって即断即決する.
平成14年4月1日 家田 仁

2002/05/16
現場見学「東京湾岸は今」実施
 
 土木工学科では,講義の一環として,毎年,現場見学会を数多く開催しています.今年度は,5月16日に,当研究室が主催で,交通省関東地方整備局京浜港湾空港事務所のご協力をいただき,「東京湾岸は今」という見学会を行いました.当日は,見学者が官船「たかしま」に乗りこみ,コンテナターミナル整備の状況や,羽田再拡張計画の概況,自然再生のための三番瀬等への取り組み等を,担当の方の親切な解説とともに見学,学習しました.東京湾臨海部は,「都市再生プロジェクト」の数々が展開されようとしている,まさしくホットな場所であるせいもあって,学生からの人気が高く,参加希望者が殺到して,1回では定員をオーバーしてしまうので,2回に分けなければならない,という一コマもありました.また,外国人留学生にとっては,相当に貴重な機会であったようで,見学後,お礼のメールまで送られてきました.これも見学会としては異例のことです.有意義な見学会の実施にご協力をいただいた関係者の方に深くお礼を申し上げます.
 
日本橋学生工房が発足
 
 

かつての賑わいを失った日本橋周辺地域に,近年再活性化の気運が高まりつつあります.そこで,本研究室のM1学生や他大学他研究室からの学生たち9人によって日本橋学生工房が6月に組織されました.日本橋室町一丁目に専用のオフィスを構えて地元との交流を深めながら,学生の視点からまちづくりの提言を行うことが最終目標で,アドバイザーには,家田教授や寺部講師を始め,8人の指導教官が付いています.学生主体で実際のまちづくりに貢献する方法は日本でも近年取り入られ始めていますが,大学の一研究室の枠内での活動に留まることが多く,この学生工房のように,複数の大学・研究室に所属する学生が行動主体となる姿は今までにない新しいものといえます.活動状況は新聞やテレビなどでも報道されていますが,http://www.n-kohboh.jp/で詳しく知ることができます.現在は,年度末の成果報告会に向けて,計画づくりやその議論が交わされています.

2002/07/25
オープンキャンパスにてTRIPメンバーが講義
 
 7月25日,東京大学としては初めてのオープンキャンパスが行われました.本研究室も土木工学科の代表として参加し,「広がる都市と交通の世界」と題した模擬講義を行いました.講義では宇治田助手始め研究室メンバー4名が計6回に渡って,私たちの分野を,写真をふんだんに織り交ぜつつ紹介しました.初めてのオープンキャンパス,しかも進学を控えた高校生が対象ということもあり,全てが手探り状態でしたが,参加してくれた高校生たちは,私たち土木計画の分野が「土木」と言う言葉のもつイメージとは意外に離れていて,実は身近なものであるということを感じてくれたようでした.質疑では研究内容だけでなく学生生活や大学入試などの質問が出るなど興味を持ってもらえたようで,無事成功したと言えそうです.
2002/07/25
「土地利用規制の失敗」見学会実施
 
 9月8日,土地利用規制制度の実態を知るため,市街化調整区域(所沢市三富地区,川越市砂新田周辺),線引き都市(前橋市)と非線引き都市(大胡町)の行政界,非線引き都市の用途地域と白地地域の境界(渋川市伊香保IC周辺)の見学会を行いました.線引き都市と非線引き都市の境界や用途地域と白地地域の境界では制限が緩い白地地域や非線引き区域のほうが活性化していたり,広大な屋敷林の奥深くに産業廃棄物が大量に投棄されていたりという現場には大変驚かされ ました.また,調整区域でも農地の一部に建物が建っていた「既存宅地」では,農地を含めた所有地全体の開発が許可された結果,田園風景や屋敷林の中に一戸建住宅群が忽然と存在する異様な風景も見学しました.
2002/10/19
長瀞の大自然で親睦を深めるバーベキュー
 
 

今年度の秋ゼミは10月19日埼玉県長瀞において行われました.今回は10月入学の学生や留学生を含めたメンバーの親睦を深める目的で,日帰り旅行としました.早朝熊谷駅に集合し,秩父鉄道のSL「パレオ・エクスプレス」に乗車,長瀞へ向かいました.研究室の性質上,鉄道には縁の深いはずのメンバーも本物の動くSLを見るのは初めてらしく,発車時間の直前まで停車中のSLを背景に記念撮影をしたりしていました.客車に揺られ1時間,駅を降りるとそこは一面の山景色.一足早く現場入りした先発隊がバーベキューの準備をしてくれており,昼下がりに全員ビールで乾杯.曇っていた空も昼過ぎには太陽が差しこみ,長瀞の大自然の中みな和気藹々と食事をしました.食後は談笑したり近くの川原でボール遊びをしたりと,それぞれの時間を満喫していたようです.10月からの学生や留学生も周りのメンバーとうちとけ,有意義な秋ゼミとなりました.

2002/10/10 -25
ヨーロッパ3都市交差点調査の実施
 
 

昨年度に引き続き行われている歩行者心理の計測研究の一環として,10月18日から一週間に渡り,研究室メンバー2名がロンドン・フランクフルト・パリの3都市を回り,実際に数々の交差点を巡ることでそれぞれの都市の設計思想を学ぶという調査を行いました.調査方法は,まず都市を隈なく歩いて多数の交差点を観察し類型化を行い,更にその各類型から数サンプルを抽出して詳細を調査する,というものでした.これによって,ヨーロッパにおける信号交差点のサイクル長が日本よりも遙かに短く設計されていることや,横断歩道などでは歩行者の安全確保のために様々な工夫がなされていることなどを改めて知ることができ,日本には外国から学ぶべき点が沢山あるのだということがわかりました.

2002/11/16
タイ交通通信省よりマレーさん来日
 
 2002年11月16日より1年間の外国人特別研究員として,Malee Uabharadorn博士が研究室に在籍しています.Maleeさんは,タイ政府の交通通信省にてサービス課の課長をされている女性で,年齢は家田先生と同じです(ご本人は,年齢を言うのはよしてくれ,ということなので,こういう表現にしておきます).さすがは国家公務員だけあって,タイでも縦割り行政の弊害に悩んでいるのだそうで,先年の日本における省庁再編の内容とその効果をしきりに気にしておられます.さて,どう答えたらいいものだか,みんな思案しているところです.
2003/01/07
3年ぶりの研究室スキー旅行
 

 年が明けて2003年1月7日,当研究室では実に3年ぶりの研究室スキー旅行が家田教授を含め総勢16名で実施されました.時期が時期だけに遠出や宿泊は避け,上越新幹線たにがわ号に乗ってGALA湯沢に日帰りするというプランでした.昼食後にはメンバーを5つのグループに分け,「リフトに乗って,レベルごとに異なるコースを下り,下まで下りたら交代する」という一風変わったリレーも行われ,「直滑降の寺部」の異名で知られる寺部講師率いるチームがぶっちぎりで優勝するなど大きな盛り上がりを見せました.夕方には各自温泉にも入り,朝7時に東京を出発し午後9時に戻ってくるという強行軍でしたが,皆充分に満喫することができたようでした.

2003/03/18
交通基盤防災工学寄付講座クロージングフォーラム開催
 

 梅澤忠雄客員教授とロランド・P・オレンセ客員助教授率いる交通基盤防災工学寄付講座(JR東日本)のクロージングフォーラムが2003年3月18日,東京大学山上会館に於いて盛大に行われました.テーマを「巨大自然災害の時代・世界都市間競争の時代に生き残るための工学と技術」として,伊藤滋名誉教授と有森幸雄JR東日本研究開発センター所長を来賓に迎え,まず3年間の研究活動報告を行った後,研究成果の将来への展開に関する講演と,「世界都市間競争の中における東京の選択」と題するパネルディスカッションが行われました.
  3年間に渡り当研究室の連携研究室である寄附講座の活動をご支援,ご協力をいただいた関係諸機関の皆様方に深く感謝いたします.

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